月次レポート2018年8月号

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月次レポート2018年8月号

法人税率の追加的引下げは当面延期へ

政府は当面、財務省改正法案2017号(事業税制計画第2号)の上院決議を見送ることを決定しました(下院は同法案を未修正で可決済み)。

法人税率27.5%の適用対象を2023/2024財務年度までに段階的に全納税事業に拡大し、更に2026/2027財務年度までに税率を徐々に25%へと引き下げる内容の法案です。

Editor: 議会は偶然にも2018728日の補欠選挙後となる813日に新たな会期入りします。

野党は既に法律化された法人税減税の撤廃はないと確認

Editor: 減税法案の行方が混迷を極める中、ビル・ショーテン野党党首はぶら下がり取材に応えて労働党が与党となったら売上1,000万~5,000万豪ドルの事業者の法人税減税を遡及的に撤回すると発表しました。

しかし同氏は、影の内閣会議を経た数日後に、混乱を避けるため労働党政権が既に法律化された法人税減税に手を付けることはないと確認しました。 

ただし、労働党は将来的に法律化される可能性のあるより大きな企業に対する一層の減税は支持しない旨を強調しています。


確定申告で最も多くみられる5つの誤りについてのオーストラリア税務局(ATO)の指針

2018年度の確定申告が始まり、ATOは最も多くみられる5つの誤りについて説明しています。これには、以下のような納税者が含まれます。

  • 一部所得の申告漏れ(臨時雇いや現金払いの雇用、仮想通貨についてのキャピタルゲイン、シェアリング・エコノミーによる所得の報告を忘れる等)
  • 私費用についての控除申請(自宅から職場への移動、通常の衣服、私用電話等)
  • 費用に関する領収書や記録の保管忘れ(ATOによる修正の約半分が、納税者が記録を保管していなかったり、記録の質が悪かったりすることによるもの)
  • 実際には行われていない支払いについての費用申請―しばしば、誰でも「標準控除」を受ける権利があると誤解しているため
  • 賃貸用不動産についての私費用の控除申請―所有者自身による使用についての控除申請、自動車・ボート等の個人的資産購入のためのローンの金利費用申請等

ATOのキャス・アンダーソン副局長は、業務関連費用についての三つの「黄金律」を再強調しました。「第一に、自ら支払いを行い、払戻しを受けていないこと。第二に、控除申請は所得の獲得に直接関係していなければならないこと。そして第三に、これを証明する記録があることです。」


シングルタッチ・ペイロールのアップデート

Editor: 2018年7月1日より、大手の雇用主を対象にシングルタッチ・ペイロール(STP)が正式に適用開始され、ATOは追加的なガイダンスを提供しています。

ATOは2018年7月1日以前にSTPに基づく報告を開始した雇用主に対して、2017/18年度の従業員の源泉徴収票がSTPでどのように変化するのか、以下を含む情報を提供しています。

  • STPで報告する情報については、従業員に源泉徴収票(Payment Summary)を発行する義務はありません(ただし、STP報告開始年度については発行を選択可能)。
  • 源泉徴収票は所得計算書(Income Statement)に置換されます
  • 従業員の所得計算書は、事前記入され、myGovで提供されます。
  • 所得計算書には、「納税準備完了」「納税準備未完了」と「年初来」の3つの区分があります。完成したとみなされるのは「納税準備完了」の所得計算書のみであり、事前記入されて提供されます。
  • 所得計算書の納税準備が完了するのは、今年8月14日以降となります。雇用主はこの期限までにSTPのデータを完成させなければなりません。

Editor: ATOは2018年7月1日までにSTPによる報告開始準備を整えられない雇用主もあることを認識しており、こうした雇用主(又はその税理士)は適用開始の延期を申請できる場合もあります。

例えば、インターネット接続圏外に居住する雇用主や、接続サービスが断続的・不安定な場合等には、適用の延期ないし(非常に限られた状況については)適用控除を申請できます。

この点についてご支援をご希望の場合は、当事務所までご連絡ください。


201871日以降の自動車費用に関する走行距離をもとにした控除率(Cents per Km Deduction Rate

税務局長は、2018年7月1日に始まる財務年度の事業関連の自動車費用に適用される走行距離をもとにした控除率を1キロ当たり68セント(66セントから増額)と決定しました。


仮想通貨取引

Editor: ビットコイン等の仮想通貨に対する関心が高まる中、ATOはかかる取引の様々な税務上の影響についてのガイダンスを発行しました。

仮想通貨の売却によるあらゆるキャピタルゲイン(仮想通貨の使用や豪ドル転換を含む)は課税対象となる可能性がありますが、「私用資産(personal use asset)」である仮想通貨の売却によるキャピタルゲイン/ロスは対象外です。

仮想通貨は、主に私的な利用又は消費のための商品購入目的で保管又は使用される場合に私用資産とみなすことができます(ただし、仮想通貨の保有期間が長いほど、その可能性は低くなります)。

注:仮想通貨を投資目的で保有する場合、納税者は私用資産に基づく控除権を認められません。ただし、仮想通貨を投資目的で12カ月以上保有すると、キャピタルゲイン税割引対象となる場合があります。

売却が納税者が営む事業の一環である場合は、売却益はキャピタルゲインではなく通常の所得として評価できます。

Editor: ATOは仮想通貨の喪失や盗難、及び「チェーンスプリット」の税務上の影響についてもガイダンスを提供しています。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

オーストラリア、シドニーにおける税務の事なら ウェルシュ 公認会計士事務所 にお任せください。お客様のビジネスを全力でサポートいたします。