月次レポート2018年9月号

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月次レポート2018年9月号

退職年金保証制度(SG)の恩赦措置は依然未決定

提案中のSG恩赦措置は、過去の違反を自主的に訂正する12カ月間1回限りの機会となります(すなわち、2018年5月24日から2019年5月23日)。

1992年7月1日から2018年3月31日の間のあらゆる年度についての未報告のSG拠出不足額に適用されます。

現在提示されている「ニンジン」は、過去に報告されていなかった未払いのSG拠出額を恩赦期間中に自主的に開示する雇用主に以下が適用されるというものです(すなわち、オーストラリア税務局(ATO)の監査開始前という点が重要)。

  • そうでなければSG拠出遅延に適用される事務処理費用と罰金支払いの免除、及び
  • 対象となる12カ月の期間中に行われた追加拠出についての税額控除申請。

これは、雇用主は引き続き、従業員についての未払いのSG拠出金および名目金利や、その他一切の関連した一般利息の支払義務を負うことを意味します。

ATOは、未払いのSG拠出金がある雇用主が提案中のSG恩赦期間中に自主的な開示を行わなければ、将来的により高額の罰金を課す可能性があると通知しています。

Editor: ATOは積極的にSG恩赦を推進していますが、提案の内容は関連法案が可決されるまで保証されない点を認識することが重要です。

財務省改正法案2018号(2018年退職年金措置第1号)は、2018年9月10日に議会が再開するまで検討されない点にご注意下さい。


法人税率を巡るドラマ

8月の議会会期の最終週に、物議をかもした大企業(売上高合計5,000万ドル超)の法人税減税案が却下されました。

また、長らく待たれた中小企業対象の法人税と配当に対する税率に影響する法案(すなわち、27.5%の税率適用について2018年度より新たに「基準税率適用主体の受動所得テスト」を導入すること)が可決されました。

この法案は、とりわけ受動投資及び節税目的の「バケット」法人に与える影響が大きく、申告済みの2018年度法人税や2017年7月1日以降に支払われた配当についての所得税控除額を再確認する必要があるかもしれません。

また、2016、2017所得年度に適用された法人税率(および該当する場合は配当に対する税率)についても検討を要する場合もあります。

これは、ATOが先日発表した2016、2017、2018所得年度についてのコンプライアンスおよび行政に関するアプローチに照らした確認です。

Editor: 残念なことに、政府の対応の遅れがこの分野で大きな混乱を生んでおり、一部では申告済みの所得税について検証と修正が必要となる可能性があります。


2019年のみなし配当ルール(Division 7A)に基づくベンチマーク金利

みなし配当ルールとこれに関連した適格融資契約の規定に基づく2019年のベンチマーク金利は、5.20%に設定されました(2018年の5.30%から引下げ)。


やみ経済に関する提案が日常業務に影響

Editor: 先日発表された法案は、やみ経済に関するタスクフォースの提案や連邦予算発表を受けて、現金経済(すなわち「やみ経済」)拡大を管理する新措置の導入に注目しています。 

主な提案の二つについて以下にまとめます。


所得税(PAYG)源泉徴収額未納に対する税額控除取消

政府は現在、2019年7月1日以降に従業員や下請け業者に対する支払いのPAYG源泉徴収義務に違反した企業の税額控除取消措置を検討しています。

具体的には、支払い企業が以下のいずれかに違反した場合にこの種の支払いについての税額控除を取り消すことが提案されています。

  • これらの支払いについての源泉徴収義務違反、又は
  • ATOに対する源泉徴収額報告違反(事業活動報告(BAS)による報告等)。

興味深いことに、税額控除が認められないのは源泉徴収又は報告が行われなった場合に限られます。

つまり、源泉徴収や報告の金額が不正確であった場合には、納税者の税額控除に関する権利は影響を受けません。


課税対象支払報告(TPRS)についての追加的な説明

TPRSは建設業者を対象に2013所得年度に初めて導入され、毎年建設サービスについて下請け業者に支払われた合計金額の報告が義務付けられています。

課税対象支払の年次報告書提出期限は、毎年8月28日です。

現在議会で検討されている法案は、2019所得年度からTPRSをクリーニングおよびクーリエ業者にも適用するというものです。

更に、2020所得年度からTPRSの適用を以下の業界にも拡大する法案が発表されています。

  • 警備保障及び調査サービス、
  • 陸運、及び
  • コンピュータシステム設計及び関連サービス。

干ばつに苦しむ農家救援のクラウドファンディング寄付

Editor: ATOは現在、干ばつの影響を受けた地域の個人や事業の税金や退職年金に関する義務の管理や、精神衛生上の困難に直面している個人に、様々な支援措置を提供しています。

また、干ばつ救援のためのクラウドファンディングを利用した寄付や資金調達についての潜在的な税務上の影響もまとめています。

干ばつ救援基金に寄付したいと考える納税者は、こうした寄付に関する税務上の影響を認識することが重要です。

例えば、寄付金控除適格受領者に対する2ドル以上の寄付金は税額控除の対象となります。

納税者が特定の基金が登録慈善団体であるか否かを確認するには、事業者登録ウェブサイトの「オーストラリア事業者番号(ABN)検索」機能を使用するようATOは助言しています。

クラウドファンディング・プラットフォームを用いた農業資金の調達を考えている農家は、資金使途によってはクラウドファンディングで受領した資金が課税所得とみなされる可能性があります。

例えば、

  • 資金が緊急救援(食料や衣料等)に充当された場合、この金額は課税所得には含まれません。
  • 資金が税額控除可能な費用(家畜の飼料購入等)に充当された場合には課税所得に含まれますが、該当する控除額と相殺され、課税所得が生じない措置が講じられます。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

 

 

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