月次レポート2018年10月号

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月次レポート2018年10月号

ホームオフィス税額控除申請の審査厳格化

昨年度は670万人の納税者が、ホームオフィス費用を含む「その他業務関連費用」として記録的な79億豪ドルという金額の控除を申請しました。

ホームオフィス費用関連では過誤や疑問視される控除申請の数が多いとされており、オーストラリア税務局(ATO)は先日、本年度の確定申告でこれらの申請に注目し、審査を厳格化すると共に教育を行うと忠告しています。

とりわけ、ATOは以下の控除申請を行う納税者について懸念を示しています。

  •   納税者が支払いを行っていない費用、
  •   雇用主が納税者に払い戻した費用、
  •   私費用、および
  •   裏付けとなる記録がない費用。

在宅勤務に直接的に起因して負担した追加費用の控除申請は認められますが、私費用を合わせて申請しないよう注意しなければなりません。

ATOによれば、最大の問題の1つは、業務関連の追加部分ではなく費用全額(インターネットや携帯電話料金等)を控除申請する納税者です。

納税者が追加的な運転費(冷暖房や照明用の光熱費等)を負担したことを証明できれば、それらは一般的に控除可能です。

これとは対照的に、従業員は一般的に入居関連費用(家賃、住宅ローン返済費、住宅保険、土地税、及び市税等)について一切の控除申請を認められません。

ATOは、在宅勤務の税額控除について雇用主に連絡することもあると納税者に警告しています。

また、ATOは納税者が正当な業務関連費用であることを証する適切な記録を保管していない場合には多くの税額控除を却下することになると見込んでいます。

税額控除一般と同様に、在宅勤務費用の税額控除を申請する場合には領収証、日誌、及び電話料金明細書等、裏付けとなる記録を保管しなければなりません。

重要な点は、関連費用のうち追加的な業務関連部分のみが控除可能であることです。

技術の進歩により、ATOは類似の職業で同様な収入を得ている納税者と比較した場合に辻褄が合わない控除申請を特定する洗練されたシステムや分析方法を活用できるようになっています。

最後に、ATOは納税者に、在宅勤務に関する控除申請においては以下の「3つの黄金律」に従うよう注意を促しています。

  •  納税者自身が経費を支払っており、その払戻しを受けていないこと、
  •  納税者の所得獲得と直接関係しており、私費ではないこと、および
  •  納税者が費用を証明する記録を保管していること。

干ばつ被害農家に追加支援

政府は干ばつ救済策(他の様々な措置を含む)の第2弾として、農家に飼料保管用資産関連費用の即時償却を認めると発表しました。

従来、この種の資産(穀物その他の家畜飼料保管に使用されるサイロや飼料倉庫)の償却期間は3年間と定められています。

この措置は、農家に干ばつ期における飼料備蓄用のインフラ投資を容易にすることが目的です。

対象となる飼料保管用資産は(措置が発表された日付である)2018819以降に初めて使用されたか設置されて使用可能となったもので、小規模事業に既に適用されている20,000豪ドルの即時償却を補足する措置となります。

Editor: 干ばつ被害を受けた農家に確実性をもたらすため、当発表を発効させる関連法案は早急に議会で審議され、2018年9月20日に上下両院で採択されました。


民間健康保険の免責額引上げ

2017年19月に政府が発表した民間健康保険改革を施行するための法案が議会を通過しました。

この法案は、消費者が加入しやすいよう、民間健康保険を簡素化して保険料引き下げ、および/または一部給付の保証改善を実施することを目的としています。

納税者の視点から特に注目されるのは、個人にメディケア追加徴収控除を可能とする任意免責額の引上げです。

保険会社が適用できる任意免責額の引上げは、以下の内容です。

  •  独身者について、あらゆる12カ月間に750豪ドル(500豪ドルから引上げ)まで、または
  •  カップル/家族について、あらゆる12カ月間に1,500豪ドル(1,000豪ドルから引上げ)まで。

この措置は2019所得年度から適用され、民間健康保険会社は2019年4月1日以降、新しくより高い免責額が適用された商品を提供できるようになります。

Editor: 免責額は2000年以降変更されていなかったため、これはプラス要因です。消費者がより免責額の高い商品に移行する必要はありませんが、割安な保険料はより多くの消費者に保険加入を促すことが期待されています。


不法なフェニックス活動に対策法案

政府は不法なフェニックス行為に対処するための改革パッケージを発表しました。

背景を説明すると、フェニックス行為とは会社の支配者が債務返済を避けるためその資産を別会社に移すことを指します。

提案される措置は、以下によりフェニックス業者の中核的行為を予防・阻止します。

  •  刑法・民法に新たな罰規定を設け、不法なフェニックス取引を行う者に法律で認められる最高額の罰金を課す、
  •  取締役が個人責任を逃れるため退職を前日付にすることの禁止、
  •  単独取締役が退任し、会社を取締役のいないペーパー会社化することの禁止、
  •  フェニックス会社の清算人の任命・解任・交代に関する会議における関係債権者の議決権の制限、
  •  取締役に関する罰則強化の一環として、取締役に物品サービス税に関する個人責任を負わせる、および
  •  ATOの税金還付留保権を未納の税金にも適用する。

新たにフェニックス・ホットラインも設定され、フェニックス行為の疑いがある場合の報告も容易になります。

Editor: 政府によればこの提案は適用対象を法人形態の不当な利用者に限定し、合法的な事業再編に対する予期せぬ影響を最小限とすることを目的としています。それが達成できるのかは、現時点では明らかではありません。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

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