2023年5月9日、オーストラリア政府は2022年の選挙以来初の完全な予算案を可決し、移民関連について変更が以下の通り発表されました。

 

移民計画水準

2023~24年度の移民計画水準は190,000件で、そのうち137,100件が技術移民ストリームに割り当てられます。

 

一時卒業生の就学後の権利

特別な学位を持つ一時卒業生ビザ保有者には、2023年7月1日より主要分野における技術労働者の補給ルート改善のため、更に2年間の卒業後の就労権が付与されます。

 

留学生の労働時間の上限

留学生ビザ保有者の労働時間の上限は、コロナ禍に撤廃されましたが、2023年7月1日から復活する予定ですが、パンデミック前の基準より8時間延長され、2週間あたり48時間となります。

老人介護業界で就労する留学生は、2023年12月31日まで2週間あたりの労働時間の上限は免除されます。

 

ビザ申請料及び関連料金の値上げ予定

政府は、2023年7月1日からのビザ申請料の値上げを予定しています。

  • 15%の値上げ

観光、ワーキングホリデー、ワークアンドホリデー、トレーニング、テンポラリーアクティビィティ及びテンポラリーワーク(短期滞在スペシャリスト)

  • 40%の値上げ

ビジネスイノベーション及び投資ビザ

  • 6%の値上げ

その他のビザ

  • 60ドルから70ドルに増額

パシフィックエンゲージメントビザとパシフィックオーストラリア労働者ビザ

 

ビザ申請審査処理とコンプライアンスのモニタリング

政府は、手元にあるビザ申請数管理のため、ビザ申請審査担当官500名の処理能力向上サポート目的の追加資金を投入する予定です。

 

成人移民英語プログラム

改善された成人移民英語プログラムは、既存の資金の範囲内で実施される予定です。この変更により、柔軟な授業料オプションの提供、国内カリキュラムの導入、教師の専門能力開発支援、顧客サポートとパフォーマンス管理強化によって、移民の英語力、雇用、定着の成果向上を目指します。

 

技能査定‐技能認識の向上

政府は、国内申請の移民に迅速な技能査定、無料の雇用適正査定、雇用の見通し改善目的の更なるトレーニングへのアクセスを提供するために、二つの技能査定実験Skills Assessment Pilots を再検討しています。

更に、資格の相互認識メカニズムによって、インドとオーストラリアの学生は、取得した資格が両国で認められるという確実性が高まります。

 

TSMIT(一時技術移民の所得基準額)の引き上げ

2023年7月1日より、政府は一時技術移民の所得基準額を現在の53,900ドルから70,000ドルに引き上げます。

 

仕事と技能サミットに伴うビザの大幅な変更

永住権取得への経路拡大

雇用主指名スキーム(ENS)サブクラス186ビザの一時居住移行(TRT)ストリームは、2023年末までに利用可能となる予定です。全ての一時的技能不足(TSS)ビザ保有者は、雇用主のスポンサーによるENSビザの申請資格を得ることができます。

ただし、申請者はTSSビザで指定された職業で就労を継続することが必要です。

職種は中長期戦略的技能リスト(MLTSSL)に限定されることはありません。更に、スポンサー付きビザ保有者は、雇用主によるTSSでのスポンサーシップ期間を2年間(3年から短縮)経た後、TRTの資格を得ることが可能です。

暫定措置として、国内申請可能な短期TSSビザの制限も撤廃されました。


注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、