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月次レポート2020年1&2月号

ATOは引き続きライフスタイル資産に注目

オーストラリア税務局(ATO)は、30社超の保険会社から船舶や競走馬、高価な自動車、飛行機などを所有する納税者についての保険情報をさらに5年分追加請求することを明らかにしました。

ATOは、データマッチング・プログラムの一環として、約35万人の納税者について2016年から2020年の間の所有財産関連情報の受領を期待しています。

保険会社が提供する情報は、ATOのコンプライアンス・プロファイリング活動の一環として使用することが意図されています。

ATOのデボラ・ジェンキンス副局長は以下のような例を挙げています。

70,000ドルの課税所得を申告する納税者が300万ドルのヨットを所有しているならば、赤信号がともります。」

そして、データがコンプライアンス業務自動化の開始に使用されることはない点を強調しました。

「コンプライアンス活動の対象となる納税者は別の方法で特定されます。データは特定の納税者のリスクプロファイルを補足するためにコンプライアンス・チームに提供されるもので、保険加入自体は、必ずしもコンプライアンス・オフィサーが特定の調査を開始するきっかけになるとは限りません。」

保険会社が提供するデータは、所得を過小報告する納税者の特定の他にも、資産売却によるキャピタルゲインをATOに申告していない納税者の特定に利用される可能性があります。

ATOはこのデータを、私有財産を業務用資産として誤った物品サービス税の減税措置を申告する納税者の特定にも使用します。

さらに、受託者または受益者が純粋に個人利用を目的としてライフスタイル資産を購入したことが疑われる自己運用年金基金(SMSF:Self-Managed Super Fund)も、ATOの調査対象となります。

保険会社は、以下の金額以上の価値を有する資産についての保険情報をATOに提供することが求められています。

  • 100,000ドル以上の船舶
  • 65,000ドル以上の自動車
  • 65,000ドル以上の競走馬
  • 一点100,000以上の芸術作品
  • 150,000ドル以上の航空機

Editor: ATOによる直近のデータ収集活動の対象となっていると考えられ、その影響が心配な方は、個人的な状況についてご自由に当事務所までご相談ください。

参考:ATOウェブサイト、20191218

 

 

事業の租税債務の開示解釈宣言

2019年末の法律施行により、ATOは特定の事業の租税債務を外部の信用調査所に開示できるようになりました。

この情報は主に当該事業主についての外部の信用報告書作成に使用され、租税債務はその他の事業債務と同様に扱われます。

先日、政府は正確にどのクラスの事業が開示対象となるのかについて解釈宣言を発行し、これには以下の事業が含まれました。

  • オーストラリア事業登記簿に登記され、年金業法適格年金、税控除対象贈与の受領者(DGR)、登録非営利公益団体、または政府機関に該当せず、かつ
  • 少なくとも合計100,000ドル以上の一以上の租税債務を90超滞納している事業。ただし、以下は対象外。

–     事業がATOとの間で(支払計画に基づく)分納の取り決めを行った租税債務、

–     経営難を理由とする租税債務免除申請の対象となっている債務、および/または、

–     異議申し立て、行政控訴裁判所または連邦裁判所の審理が完了していない紛争の対象となっている租税債務。

さらに、解釈宣言は監察官・税金オンブズマン(IGTO:The Inspector-General & Taxation Ombudsman)の調査対象となっている、またはその可能性のある租税債務についての苦情申請が進行中である納税者の租税債務の開示を禁じています。

重要な点は、そのような苦情が存在する場合、ATOはIGOTにかかる苦情が申請されているか合理的な確認手続きを行った上で、かかる苦情を認識していない場合にのみ租税債務を開示できることです。

参考:2019年税務行政(租税債務情報開示)に関する解釈宣言

 

2019/20年度年央経済財政見通し(MYEFO

財務省は2019/20年度年央経済財政見通し(MYEFO)を発表し、約50億ドルの財政黒字を予想しています。

簿記講座受講法案

MYEFOで注目される税務関連措置として、ATOに(監査において実証努力が欠けていると判断された)納税者に罰金を科す代わりに認定簿記講座の受講を促す裁量権が新たに付与されました。

闇経済や現金払い経済への対抗措置がまた一つ追加されたことになります。

具体的には、税務局長が特定の納税者について報告義務を遵守していないと合理的に判断した場合に、かかる講座の受講を指示する裁量権が付与されます。

税務局長は、脱税行為を行う者や意図的に記録保存を回避する者にはこの裁量権を適用しません。

Editor: この提案については、講座受講義務には多大な負担を伴うことから、とりわけ事業運営が最優先事項である零細事業主にとって明確な懸念が生じます。

興味深い点としては、ATOの納税者に対する類似の認定講座の受講指示には前例があり、年金保証義務に違反した雇用主に税務局長が年金保証義務講座の受講を義務づけることを認める法案が今年初めに可決されています。

ギグ経済についての新しい報告

MYFEOでは、シェアリング経済に対応した新たな第三者報告制度導入についての政府の意向も発表されました。

これは、「シェアリング」または「ギグ」経済に基づくオンラインプラットフォームを通じて事業を営む企業(UberやAirbnbなど)に適用されます。

2022年7月1日(ライドシェアリングや宿泊プラットフォーム用)と2023年7月1日(資産シェアリング、食品配達、タスキング/プラットフォーム用)の2段階に分けた導入が提案されています。

オンラインプラットフォームには、参加者全員(売り手と提供者の両方)の識別情報と所得情報の報告を義務づけられます。

報告書はデータマッチング(検証・監査)のためATOに直接提出されます。

参考:2019/20年度年央経済財政見通し

 

ATOの山火事危機対応

オーストラリアの各地で発生した大規模な山火事の惨事を受けて、ATOは影響を住民にとって家族や地域が最優先事項であることに理解を示しています。

ATOは、山火事の影響を受けた地域として特定された郵便番号区域内に居住する納税者について、2020528まで自動的にあらゆる確定申告や納税(所得税、事業活動報告書、SMSF、およびフリンジベネフィット税申告)の期限を繰り延べます。

山火事の影響を受けたけれども現時点のATO郵便番号区域リストに含まれていない納税者についてはATOの緊急サポート情報ライン1800 806 218)に電話連絡することが推奨されています。

Editor: 本件またはその他の災害の影響を受け支援を希望される方は、当事務所までご連絡ください。参考:2020120日付けATOウェブサイトおよびプレスリリース

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。