TaxTime – ATO の視点

 

税務当局から今年のタックスリターンにおける3つの重点分野が発表されました。

  • 賃貸物件に係わる税控除
  • 必要経費
  • キャピタルゲイン税

税務当局のTim Loh補佐官は、「ATOは引き続き間違いが多くみられる分野を優先的に取り組む」と述べました。

「私たちはこれらの分野でよくある間違いを特定し、納税者とタックスエージェントが今年度のタックスリターンを正しく行えるようにサポートします。」

しかし、ATOは今年度は多くの人が経済的に厳しい状況にあることから、還付対象者および還付金の減少が予想されるとしています。また、例年より多くの人が税金負債を抱えることになるだろうともしています。

編集者:Loh氏は負担を感じている人や、納税が遅れている人はできるだけ早くATOに連絡をするか、タックスエージェントに相談するよう勧めています。


 年末の受託者決議に関するATOアドバイス

 

ATOは6月30日までに、現受益者に2023年所得年度に発生した利益の受益権を与えたい場合は、受託者の決議が有効であることを確認するよう助言しています。

これには、特定の受益者に収入内の適格配当やキャピタルゲインの受益権を与えたい場合(特定の受益者にこれらの収入を「ストリーム」させたい場合)も含まれます。

受託者は以下の確認をすることが重要です:

❑     信託契約書を確認し、意図する受益者が信託収益、または信託資本(信託の収益ではないキャピタルゲインをストリームする場合)の受益権を有するクラスに含まれること、そして受益者であることから除外されていないことを確認する。

❑     信託契約書における受益者への信託収益の有効な分配方法に関する要件に従う。

❑     税法上、受益者は該当年度の6月30日までに信託収益の受益権を有している必要がある。

❑     信託契約書の要件に従わなかった場合、または6月30日までに所得の指定がなかった場合、想定外の結果につながる可能性があります。これには、他の受益者が信託の純利益(課税対象)の該当分に対して課税されること(または受託者が最高税率で課税されること)が含まれます。

❑     決議が明確であることを確認する。


ATOから見た「副業」

 

編集者:最近の記事で、ATOはより進化した副業での稼ぎ方に注目し「Tax net」に引っかかるよう試みていると述べています。

ギグ・エコノミー、ドロップシッピング、コンテンツクリエイターやインフルエンサーなど、「副業」はここ数年で著しく増えています。

ATOは、副業から得た収入の取り扱いが分かりにくことから、副業を行う個人に対し「tips」を用意しました。

まず、個人は自分が「事業を行っている」のかどうかを知る必要があります。 もし事業を行っているのであれば、登録や納税の義務について考える必要があるかもしれません。事業は行っていないがこれから始めようとしているのであれば、「成功のための準備」方法を知っておく必要があります。

また、副業で会社の役員(Director)になった場合は、Director IDの申請(無料)を行わなければなりません。

編集者:「副業」に関してのお困りごとがあれば、当事務所までご連絡ください。


ATO ライドソーシング・データマッチングプログラム (Ride sourcing data-matching Program)

 

ATOは、2022/23会計年度中にライドソーシングサービスの提供に従事する可能性のある個人を特定するため、約20万人の個人に関連するライドソーシングデータを取得する予定です。

データには以下が含まれます。

  • 個人識別情報(Driver ID、ABN、 運転手名、 生年月日、電話番号、メールアドレス、住所)
  • 当該期間に受け取った全ての支払いの取引明細(銀行口座詳細、支払詳細の集計、運賃総額、ドライバーの手取り額、その他のすべての収入)

このデータは、ライドソーシングの提供者にへのキャンペーンの一環として、納税義務や必要な情報を提供するために使用される予定です。

得られた情報は、ライドソーシングサービスを提供する個人や企業の行動やコンプライアンスプロファイルに関するATOの理解を深め、さらに、ATOがコンプライアンス活動のために納税者を選定する際の手段の一部として使用される可能性があります。


注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。