オーストラリア労働党(ALP)の主な税制改正案

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オーストラリア労働党(ALP)の主な税制改正案

オーストラリア労働党(ALP)の主な税制改正案

20191月・2

ALPの主な税制改正案の概略

Editor: 今後数か月間は総選挙が話題となると思われ、多くの評論家は政権交代を予想しています。今回の総選挙でも、税制が政策論争の焦点となっています。

以下の表は、ALPの主な税制改正案からまとめたものです。

所得税改革

ALPの主な税制改正案

対応する保守連合の税制改正案

1. 個人の税務関連費用の控除額を、一人1年当たり3,000ドルに制限する。

参照:影の財務大臣と影の財務補佐大臣が共同で行ったメディアリリース(2018513日)

個人の税務関連費用控除の限度額廃止を提案。ただし、ATOは控除項目D10「税務関連費用」を改訂、2018年度の個人タックスリターン(‘I” return)から、控除申請の内訳の記載が義務付けられます。

2. キャピタル・ゲイン税につき、以下の例外を除いて最大減免率を50%から25%へ引下げる。

 

  • 適用除外となる投資
  • スーパーアニュエーションファンドによる投資(キャピタル・ゲイン税減免後は実質10%の課税)
  • 小規模事業者の資産

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」135項、およびALPウェブサイト:労働党ファクトシート「Positive plan to help housing affordability(住宅取得支援のための積極策)」

適格納税者に対するキャピタル・ゲイン税における現行の減免税率(最大50%)について、それを変更する意向は、保守連合から示されていません。

3. ネガティブ・ギアリングを新築住宅投資に限定、既存の投資は適用除外とする。

 

 株式や中古住宅(商業用不動産も含まれると思われます)への投資によるあらゆる損失について、引き続き、投資所得との相殺の許可を、労働党は提案しています(ただし、給与や賃金所得との相殺は認めない)。

繰延べ損失は全額、投資の最終的なキャピタル・ゲインと相殺するべく繰越できます。

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」135項、およびALPウェブサイト:労働党ファクトシート「Positive plan to help housing affordability(住宅取得支援のための積極策)」

 

 

 

 

現行のネガティブ・ギアリング規制変更の意向は、保守連合から示されていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.    株式の配当金について、一部納税者に対し、インピュテーションクレジット(imputation credit)超過額の現金還付を認める制度を廃止する。

 

参照:野党党首のメディアリリース(2018313日)

適格納税者(個人及び自己運用年金基金(SMSF)を含む)に対するインピュテーションクレジット超過額の現金還付を認める制度について、その変更の意向は、保守連合から示されていません。

5. 非固定信託(non-fixed trust)である裁量信託(discretionary trust)から支払われる全ての配当金について成人受益者(18歳以上)には最低30%の税率を適用

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」131項、および野党党首のメディアリリース(2017730日)

 

裁量信託の受益者に限界税率が適用されるという現行税制について、それを変更するという意向は、保守連合から示されていません。

6. 2020年7月1日からオーストラリア投資保証制度を導入する。

 

事業者に適格償却資産の即時20%の加速度消却を認めます。

 

参照:影の財務大臣によるメディアリリース(2018313日)

保守連合は、小規模事業者(SBE:Small Business Entities)の即時償却限度額を2019年1月29日から25,000豪ドル未満へと引上げ、この限度額を2020年6月30日まで適用するという法案を発表しました(現時点の予定では、2020年6月30日から、償却限度額は従来の1,000豪ドル未満に戻されることになっています)。

 

 

スーパーアニュエーション改革

ALPの主な税制改正案

対応する保守連合の税制改正案

1. 課税後拠出(NCC: Non-Concessional Contribution)の限度額を、現行の100,000豪ドルから75,000豪ドルへ引下げる。

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」41

現行のNCC限度額である100,000豪ドルについて、この限度額を変更する意向は、保守連合から示されていません。

2. Division 293の基準額を、現行の250,000豪ドルから200,000豪ドルへ引下げる。

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」41

現行のDivision 293の基準額である250,000豪ドルについて、この基準額を変更するといった意向は、保守連合から示されていません。

3. 新設された非課税拠出(CC: Concessional contributions)キャッチアップ拠出についての規定を廃止する。

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」41

5年以内であれば行えるCCキャッチアップ拠出についての規定は、スーパーアニュエーションの残高500,000豪ドル未満の適格加入者を対象に新設された規定であるが、この規定を維持する。

4. 最近の税制改革で、個人によるスーパーアニュエーション拠出額の税控除を、全ての適格個人納税者に認めるというものがあるが、この税制改革を廃止する。

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」41

最近成立した税制改革で、個人によるスーパーアニュエーション拠出額控除規則の緩和について、これを維持する(2017年7月1日以降、「10%テスト」を排除する)。


5. 自己運用年金基金(SMSF)による住宅投資目的の直接借入について、リミテッド・リコース(遡及限定)融資契約(LRBA)の使用禁止を段階的に復活する。

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」136

現行のLRBA規則について、その規則変更の意向は保守連合から示されていません。

6. 雇用主による強制拠出率12%への引上げを加速するため、スーパーアニュエーション拠出率 (現行9.5)の凍結を終了。ただし、施行期日は未発表。

 

参照:「A Fair Go for Australia(公平なオーストラリア)」39

2026年までに段階的にスーパーアニュエーション拠出率を12%に引き上げる。そのため、2022年に初回引上げ(10%)が実施されるまでは、現行のスーパーアニュエーション拠出率9.5%を変更するといった意向は、保守連合から示されていません。

 

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

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