シングルタッチ・ペイロールのアップデート

シングルタッチ・ペイロールのアップデート

STPの要件を理解する

シングルタッチ・ペイロール(STP)は、雇用主の負担を軽減し、以下のような業務上の義務を明らかにし、コンプライアンスを容易にすることを目的とした制度です。

  • 給与、賃金及び類似の支払い
  • ペイ・アズ・ユー・ゴー(PAYG)源泉徴収税
  • 一部の年金基金関連情報

オーストラリア税務局(ATO)に、給与支払い情報を直接「リアルタイムで」報告することが義務付けられます。

重要な点は、STPは雇用主の給与支払いシステムに既に含まれている情報の抽出を目的としていることです。

このため、ATOへの報告のタイミングが繰り上げられる以外に、雇用主に追加負担を課すことは意図されていません。

実務上、事業主が新たな義務を満たすためには、STP対応ソフトウェアを使用しなければなりません。これには既存の給与支払いソフトウェアのアップデート又は変更が必要となります。

ほとんどの給与支払いソフトウェア業者は、既に必要な報告能力の組み込む対応済みです。

事業主が適切なソフトウェアを採用すれば、継続的な報告義務はソフトウェアの自動機能の一環として処理されるはずです。

実際には、雇用主はSTPで義務付けられる従業員の給与情報を給与支払いの都度、ATOに提出することになります。

ここでは、雇用主はSTPの遵守のために給与支払いサイクルを変更しなくてよい点が重要です。

事業がATOにSTPの報告を行うと、従業員は年初来の税金と年金拠出金の情報をオンライン(myGov)で確認できるようになります。

STP報告により、雇用主のコンプライアンス業務の多くが合理化ないし廃止されます。STPが雇用主にもたらす利点には、以下が含まれます。

  • STPを使ってATOに報告済みの支払給与について、従業員に年次の「給与明細書」を発効しなくてよい。ただし、雇用主は「確定宣言」の申告が必要(一般的には7月14日まで、STP導入初年度は期限が延長されている)。
  • STPを用いた支払いについての「支払明細年次報告書」提出義務の廃止。
  • STPによって2019年7月1日以降、中小源泉徴収事業者である雇用主はBASラベルW1(給与・賃金・その他支払い総額)およびW2(給与・賃金・その他支払い総額についての源泉徴収額)を事前申告可能。
  • 対応ソフトウェア使用による「納税者番号申告書」「源泉徴収申告書」等の申告の合理化。

Editor: STPは雇用主によるATOへのPAYGの源泉徴収税納税や年金基金拠出のタイミングに影響を与えたり、これを変更するものではない点を理解することが重要です。STPに基づく新たな義務は、雇用主がこうした支払いについてATOに報告を行うタイミングにのみ影響します。

 

当初の適用開始日

STPは、従業員数20名以上の雇用主については201871から適用開始されました。

2018年7月1日に適用対象となるか否かの判断には、2018年4月1日現在の従業員数の確認が求められました。

大まかに言うと、従業員数には2018年3月中に勤務していた正社員、パート社員、アルバイト、及び欠勤ないし休暇中(有給・無給を問わず)の従業員が含まれました。

 

小規模事業へのSTP適用開始日法律化

小規模事業(従業員数20名未満)は201971以降STP報告が義務付けられます。

小規模事業についてのSTP申告義務は、2019年2月12日に2018年財務関連法改正法案(2018年措置4号)が上下院を通過したため、先日漸く法律化されました。

これにより、2019年7月1日以降、事業規模を問わず雇用主が一般的にSTP報告義務を負うことになります。

ATOは給与支払いソフトウェアを使用している従業員数19名以下の小規模事業主にSTPについて通知し、ソフトウェアがSTPに対応している場合はソフトウェアを更新して報告を開始できる旨知らせるとしています。

 

零細事業主向けの措置

現在給与支払いソフトウェアを使用していない零細事業主(一般的に従業員数1名から4名)については、2019年初めから簡易で低コストな措置が講じられる予定です。

こうした措置には、モバイルアプリ、簡易報告制度やポータルが含まれる可能性があります。

ATOのウェブサイトに、該当するソリューションを提供する意向の企業がアルファベット順に掲載されています(以下の通り)。

ATO(及び当事務所)は、掲載された供給業者のいずれについても特に推奨していません。

  • AccXite Pty Ltd
  • BAS Off Pty Ltd
  • Catsoft
  • Easy Pay Slip Pty Ltd
  • Employment Hero Pty Ltd
  • e-PayDay Pty Ltd
  • ePayroll
  • Etax Accountants Pty Ltd
  • Free Accounting Software
  • Globe BD
  • GovReports
  • Intuit Australia Pty Ltd
  • LodgeiT Pty Ltd
  • Ironbark Software
  • Myaccountant Technology Pty Ltd
  • MYOB Australia Pty Ltd
  • OB Secure Messaging
  • Sodapay
  • PwC Australia
  • Reckon Australia Pty Ltd
  • Single Touch Pty Ltd
  • SRI Enterprise Software Pty Ltd
  • Xero Australia Pty Ltd

 

ATOによる柔軟な導入

クリス・ジョーダン税務長官は先日、ATOがSTPの導入について「柔軟、合理的かつ実務的」なアプローチをとることを個人的に保証しました。

具体的には、2019年7月1日の適用開始について、小規模事業主は201971から2019930の間の任意の時点でSTPの報告を開始できると述べています。

これは実質的に小規模事業主に3ヵ月間の導入猶予を提供するものです。

ATOはまた、初年度については過誤や報告漏れ、報告遅れ等について罰金を課さず、経営難の事業主やインターネット接続が不良又は不在の地域の事業主には適用除外が設けられることを示唆しています。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。