事業者用2018/2019年度末チェックリスト

事業者用2018/2019年度末チェックリスト

当事務所の法人クライアント様の多くが、事業年度末に税務上の位置付け(Tax Position)と節税対策の再検討を行っております。従来、年度末に策定されるタックス・プランニングは、小規模事業体(Small Business Entities、以下SBE)の場合、事業支出控除の加速と所得の繰延べが中心となっていました。

ですが、SBEのみに適用される税優遇措置があるため、SBEは、より多様な方法を駆使してのタックス・プランニングを行うことができるようになりました。(なお、SBE対象の税優遇措置は、2007年7月1日以降、これまでの簡易課税制度(Simplified Tax System、以下STS)からSBE制度に変更されています。)

SBEの条件を満たす企業は、毎年どの優遇措置を利用するか選択できます(ただし、簡易償却制度については以下を参照のこと)。2019年6月30日に終了する会計年度において、優遇措置を受けるための適用要件は、事業者の年間売上高(一部の関係事業の売上高も含む)が1,000万ドル未満であることです。あらゆる事業者が検討可能な分野のいくつかを以下に挙げました。

控除額最大化―SBE以外

SBE以外の事業者は、以下の戦略のいずれかないしその組合せにより控除額を最大化する努力を行うべきでしょう。

  • 前払戦略、
  • 事業支出の加速、および
  • 未払支出。

費用の前払による節税対策 ― SBE以外

6月30日までの期間に関するあらゆる費用の前払いは、原則的に控除可能です。また、SBE以外の納税者は、基本的に以下の前払費用について全額控除申請できます。

–    1,000ドル未満の支出

–    「サービス契約」に基づく支出(例、給与または賃金)、または、

–    法定支出。

注:前払いについては分かりにくい点もあるので、支払いを行う前に質問事項や支援が必要な場合は、当事務所までご連絡ください。

費用支出の加速―SBE以外

費用支出の加速とは、事業者が定期的に発生する費用の支払いを前倒しすることを指します。事業者は原則的に、発生主義による経費の計上が認められています。したがって、基本的に2019年6月30日までに支払いを行わなければならないという要件はありません(すなわち、費用が純粋に「発生」しているならば、原則的に控除可能となります)。

チェックリスト

以下を加速可能な支出のチェックリストとして使用することができます。

  • 償却資産:年間総売上(関連会社の売上を含む)が1000万ドル以上~5000万ドル未満の企業は、2019年4月2日午後7時30分から2019年6月30日(オーストラリア東部標準時間)までの間に取得・使用された(又は、使用できるように設置された)資産で、原価が3万ドル未満のものは、即時償却することができます。100ドル以下の償却資産は、購入年度に一括償却可能です。1,000ドル未満の償却資産は、購入期日に関らず、初年度は低額プールに区分して18.75%の償却率を適用できます(通常の償却率37.5%の半分)。
  • 修理:事業所、設備、車両またはその他の事業用品の修理。
  • 消耗品/部品
  • 顧客への贈答品
  • 寄付金
  • 広告
  • 付加給付:不動産給付等、あらゆる給付を、2019年6月30日までに購入および提供できます。
  • スーパーアニュエーション:実際に拠出が行われた範囲に限り、適格ファンドへの拠出金(すなわち、未払金は認められず、6月30日までに支払いが行われなければならない)。

未払支出

SBE以外の納税者(および一部のSBE-下記参照)は、支払いが行われていない場合でも、2019年6月30日時点での未払支出について、控除が認められます。

以下の項目について、未払い費用が認められます。

  • 給与または賃金および賞与:2019年6月30日時点で従業員が労働を行ったが支払いが行われていない期間についての未払費用。
  • 利息:借入日以降の日から2019年6月30日までの期間の後払い利息分を未払費用としての計上。
  • 手数料:従業員またはその他の外部者に支払うべき手数料。
  • 付加給付税(FBT):例として20197月が納税期限となっている2019年第4四半期のFBT分割予定納税を未払税金として計上できます。
  • 取締役報酬:会社が2019年6月30日までに取締役報酬を支払うことを確約している場合、税額控除の申請が可能です。

SBEの控除額最大化

SBEは費用の支出を早めて(費用支出の加速)、控除可能な事業費用を前払いすることで、控除額を最大にすることができます。なお、従来の簡易課税制度基づき、2005年6月30日以前から現金主義による会計処理を行っている場合、未払費用の計上はできません。ですが、それ以外のSBE納税者については未払費用の計上ができます(未払費用については上記を参照のこと)。

費用支出の加速―SBE

他の費用支出の加速できる費用項目に加えて、SBE納税者は、30,000ドル未満の償却資産を購入年度に一括償却することができます*。また、資産が一括償却限度額を超える場合、SBEの一般プールに割り当てることができ、初年度は償却率15%を適用できます(通常の償却率30%の半分)。したがって、必要に応じて、SBEはこういった資産を2019年6月30日までに購入または資産の使用可能な状態での設置を検討すると良いでしょう。

但し、SBE対象の減価償却制度を利用することを選択した場合は、同制度に定められた規則に事実上拘束される点にご注意ください。

*2019年4月2日午後730分から2019年630日(オーストラリア東部標準時間)までに使用、もしくは、使用可能な状態に設置された資産の即時償却限度額は「30,000ドル未満」に増額されています。

また、201871日から2019128日までに使用、もしくは、使用可能な状態に設置された資産の限度額は、20,000ドル、そして、2019年129日から2019年42日午後730分(オーストラリア東部標準時間)までに使用、もしくは、使用可能な状態に設置された資産の限度額は、25,000ドルです。

費用の前払による節税対策―SBE

12カ月以内の期間内(2020年6月30日以前に終了する年度内)に提供を受けるサービスに対する前払費用で、その支払が2019年7月1日以前に行われた場合、SBEは、その支払の年度内に一括償却を選択できます。それ以外の前払費用については、SBE以外の納税者規則が適用されます。

なお、前払可能な費用には、以下が含まれます。

  • 賃料:事業所または事業用設備の賃料。
  • リース料:自動車やオフィス機器等の事業用品のリース料。
  • 利息:最大12カ月分の利息の前払いが可能だが、貸出人との確認が必要。
  • 出張費
  • 研修費: 2019年7月1日以降に実施される研修について。
  • 事業用の購読料等
  • 清掃費

所得税申告に必要な情報

貴社の所得税申告準備のサポートに必要な情報には、以下が含まれます。

  • 6月30日時点での棚卸の詳細。
  • 6月30日時点での債務者一覧(償却済みの不良債権一覧を含む)。 注:不良債権について税額控除の申請をするためには、630日以前に償却が行われていなければなりません。
  • 6月30日現在の債権者一覧。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。