月次レポート2019年1・2月号

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月次レポート2019年1・2月号

ディビジョン293税(Division 293  Assessment)

豪州国税局(ATO)は、2018年の所得年度における負債について「ディビジョン293課税通知書」を発行しています。

ディビジョン293税は、税制優遇適用の可能な年金基金拠出額(すなわち課税対象額)が一定の条件を満たす場合、15%の追加税が課されるというものです。課税は、所得と税制優遇適用の可能な年金基金拠出額が1年当たりの限度額を超えた場合に適用されます。

既存の15%のスーパー積立税(contribution tax)の税率に、Division 293の税率が加わった場合、最大30%の税率となる可能性があります。Division 293の課税対象は、以下の通りです。

  • 本人名義又は雇用主の拠出義務もしくは給与協定による年金基金拠出額、又は
  • 個人による税控除可能な拠出額。

報道によると、ATOは、2019年の最初の2か月間で、約90,000通の通知を発行すると言われています。

期限までに税金の支払を済ませなければ、追加利息が課されてしまいます。ですが、既存の年金基金からの資金開放など、別の納税方法も提供されています。

Editor: 2018年度にDivision293の限度額が300,000豪ドルから250,000豪ドルに引き下げられたため、通知を受ける(そして15%の追加税が課される)納税者が増えると思われます。

また、総選挙を控えたオーストラリア労働党(ALP)の主な税制法案には、この限度額を250,000ドルから200,000ドルへ引き下げることが含まれています。

ホームオフィス経費の控除額引上げ

ATOは、2018年7月1日付で(すなわち2019年の所得年度から)個人納税者がホームオフィス控除の算出に用いるレートを1時間当たり45セントから52セントに引き上げました。

ATOが先日更新した法律施行に関する実務指針(Practice Statement Law Administration 2001/6:PS LA 2001/6)によると、個人納税者が業務又は事業関連のホームオフィス経費の控除を申告する場合、以下のいずれかを選択できるとしています。

  • 実費の控除申請、又は
  • 運営経費を1時間当たり52セントで計算。

ホームオフィス経費を、1時間当たりのレートを使用して算出する場合は、自宅で何時間働いたかの記録を保持するだけで済みます。この場合に 必要となる記録は、以下のものだけで済みます。

  • 所得年度を通じた記録(在宅勤務時間が不定期的な場合など)、又は
  • 当該所得年度を代表する4週間分の日誌(在宅勤務時間が定期的かつ一定な場合)。

半期経済財政見通しの公表

先日、半期経済財政見通し(MYEFO: Mid-year Economic and Fiscal Outlook)が公表されました。

2019年の財政赤字は52億豪ドル(2018年及び2019年度連邦予算で想定された145億豪ドルからの減額)となる見通しです。

大幅な赤字縮小は税収の増加によるもので、個人所得税41億豪ドルと法人税34億豪ドルの税収増が報告されています。

また、MYEFO報告書では、公表された税政策で特に未実行のものについて、政府がどのような見解を持っているのか、という有益な情報も提供されています。

報告書で確認された税政策関連の更新情報のうち、注目すべきものには以下が含まれます。

  • 物品サービス税(GST)コンプライアンス・プログラム – 政府は、GST制度を脅かすような新たなリスクに対処するため、GST関連の追加監査および分析ツール開発の予算として、2020年から2024年の期間中、ATOに4.67億豪ドルを割り当てることを検討しています。
  • 現金決済の限度額10,000豪ドルの導入 – 豪政府は、経済全体にわたって、10,000豪ドルを超える現金決済の禁止を発表していますが、その導入を当初提案の2019年7月1日から2020年7月1日に延期されます。
  • 無形資産の減価償却に関する改正案の破棄 –一定の償却無形資産について、納税者による耐用年数の自己査定を認める改正案がありましたが、政府はその案の破棄を発表しました。
  • 犯罪被害者による加害者の年金基金取崩しについて – 政府は、一定の犯罪(即ち深刻な暴力犯罪)の被害者が未払いの賠償金を回収するために、加害者の年金基金を取崩すことを認める法案の提出を検討しています。
  • 退職年金保証制度( SG)の罰金増額 –過去に雇用主が怠ったスーパーアニュエーション拠出の不足額について、12カ月の恩赦期間に自己申告されない場合には罰金が課されます。政府は、その罰金の最低額を、SG拠出不足額の50%から100%に引き上げることを提案をしています。

Editor: SG恩赦に基づき、ATOが推進中の税制優遇措置の導入に必要な法改正については、(本稿執筆時点において)その法案がまだ議会を通過していないという点にご注意下さい。

因みに、政府提案のSG恩赦期間は2018524日から2019523日です。

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

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