月次レポート2019年4月号

月次レポート2019年4月号

現金払いに注目が続く

オーストラリア税務局(ATO)のピーター・ホルト副局長は、2019/20年度にATOは国内で10,000社の小規模事業を訪問する予定であり、タスマニア州の事業も最大500社が対象に含まれると発表しました。

また、「現金払いのみ」を掲げる事業や、業界に関するATOの業績ベンチマークを外れる事業に特に注目すると述べています。

「現金払いの事業や、法人税の申告や事業活動報告書(BAS)の提出を行わない事業は、不当に有利となり、正しい行動をとる事業を不利にする。 こうした行動を探知し、これに対処することで、正直な小規模事業に公平な環境を確保します。」

以下の業界の事業は、ATOの訪問を受ける可能性が高いでしょう。

  • レストラン及びカフェ、
  • 自動車修理、
  • 美容室、ネールサロン等のパーソナルケア事業
  • 薬局、
  • 建設業、
  • 服飾店、
  • 生鮮食品店、小規模スーパー、
  • 精肉店。

ATOの担当者は訪問中、正しい対応を行う努力をしている事業を支援します。

ホルト副局長は、故意に納税や年金拠出義務を迂回していることが明らかとなった事業には厳しい強制執行措置をとる意向であり、訪問によりこうした意図的な違反行為が明らかになる可能性があると述べています。

「過去に過誤があると分かっている場合には、当局に通知するか、税務の専門家と協力することを推奨します。」


新物品サービス税(GST
源泉徴収規則でよくある間違い

ATOは、2018年7月1日より導入された「決済時のGST納税」についてよく見られる間違いを指摘しています。

Editor: この新法は、住宅購入者がデベロッパーから「新築住宅」を購入の際に、決済時点でGSTを源泉徴収してATOに直接納税することを義務付けるものです。

「決済時のGST納税」法は、供給業者が事業活動報告を提出し、報告対象期間中に決済された課税対象取引についてのGST債務を報告する義務には影響しません。

また、供給業者は購入者が源泉徴収し、ATOに直接納税したGSTについては報告しないことが推奨されています。

その代わりに、事業活動報告が処理された時点で、購入者が源泉徴収し、納税した金額が供給業者の事業活動報告の貸方に記帳されます。


最新のATOベンチマーク発表

ATOは、「国内の小規模事業が・・・自社の事業競争力を測定し、競合他社と比較すること」を支援するため国内の150万社を超える小規模事業について、更新されたベンチマーク・データを発表しました。

100以上の業種について更新されたベンチマークが、以下の区分について入手可能となっています。

  • 宿泊及び食品、
  • 建設及び建築業、
  • 教育、研修、レジャー及びサポートサービス、
  • ヘルスケア及びパーソナルサービス、
  • 製造業、
  • 自動車電機サービス
  • 機械・設備修理・メンテナンスサービス
  • 建築業、
  • 獣医業、
  • 小売業、及び
  • 輸送、郵便、及び倉庫業。

これらのベンチマークは、データ照合や一般の通報と共に、ATOが闇経済活動を取り締まるツールの1つです。

ベンチマークの枠外で営業する事業は、当局が闇経済活動への従事を疑う事業として注目する可能性がある」とホルト副局長は述べています。

「利益が少ないにもかかわらず事業経営者が個人所得を大きく超えるライフスタイルを維持しているとみなされる場合には、頻繁に注目されることになります。」

「登録税理士を使用している場合には、ベンチマークと比較した自社の事業の位置付けについて相談することが望ましく、 業績向上について助言を受けることもできます。」


ATOが年次休暇手当てと通常時間勤務手当について警告

ATOは先日、雇用主に対して年次休暇手当ては「超過勤務の機会損失」と対応しない限り、通常、退職年金保証(SG)制度上の通常時間勤務手当(OTE)とみなされると警告しています。

従って、雇用主が年次休暇手当てはOTEではないとの前提で自己申告を行った場合に、その権利の根拠を示す証拠が欠如していれば、未払いのSGがあり、罰金が科される可能性があります。

ただし、ATOはこの措置に不透明感があることや年次休暇手当ての権利の根拠特定が難しいことを認めており、所定の要件が満たされる場合には譲許的コンプライアンスのアプローチを適用すると述べています。

Editor: これについて懸念がある場合は、当事務所にご相談下さい。SG拠出義務をご支援し、(必要に応じて)ATOの譲許的コンプライアンスのアプローチ適用の有無を判断致します。


海外のサービス・アパートメント居住者はオーストラリア居住者ではない

連邦裁判所大法廷は、バーレーンの短期賃貸物件に居住する納税者はバーレーンに「恒久的住所」を有すると判断し、オーストラリア居住者であるとみなした判決への控訴を認めました。

この判決で、居住者の「恒久的住所」の判断は、個人が実際に恒久的な住居で生活しているかではなく、オーストラリア国内の住所が放棄された(即ち、恒久的に海外で生活する)ことに基づいていることが確認されました。

具体的には、大法廷は「住所(place of abode)」とは個人の戸建て住宅、アパート、又はその他の住宅を指すのではなく、かかる個人が物理的に恒久的に居住する町、又は国を指すと解釈しています。


ほぼ空地の不動産も「活動資産」

オーストラリア行政控訴裁判所(AAT)は、納税者の主たる住居に隣接し、事業用の資材、道具、その他機器の保管に使用されていた土地は、小規模事業の小規模事業のキャピタルゲイン税優遇措置について「活動資産」とみなされると判断しました。

Editor: 小規模事業のキャピタルゲイン税優遇措置では、「活動資産」(基本的に事業資産)の売却についての支払い税額を削減、又は完全に免除することができます。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。