月次レポート2019年6月号

月次レポート2019年6月号

シングルタッチ・ペイロールの
アップデート

2019年7月1日以降、従業員19人以下の雇用主はシングルタッチ・ペイロール(STP)による報告が義務付けられます。

オーストラリア税務局(ATO)はSTPへの移行を支援するため、7月1日から9月30日の間に随時報告を開始することを認める等の措置を講じます(また、ATOはSTP報告に時間的猶予が必要な零細事業主には「寛容に」期間延長を認めます)。

従業員19人以下の雇用主は、2019/20年度につき「関係者(closely held payees)」の報告を免除される点にもご注意ください。2020年7月1日以降は四半期毎の報告が求められます。

従業員と源泉徴収明細書

ATOはまた、従業員が雇用主から年度末に当該年度の所得を示す年次源泉徴収明細書を受取る方法は、雇用主が従業員の所得、税金、および年金拠出金情報をどのようにATOに報告しているかによって異なる点を指摘しています。

具体的には、以下の通りです。

  • 現時点でSTPによる報告を行っていない雇用主は、今まで通り7月14日までに従業員の年次源泉徴収明細書を提供。
  • STPによる報告を行っている雇用主は従業員に年次源泉徴収明細書を提供する義務がなくなり、この情報は7月31日までに従業員のオンライン(myGov)アカウントの「所得明細書」上で提供される。

Editor: 当事務所は引き続きATOを通じて従業員であるクライアントの年次源泉徴収明細書または所得明細書にアクセスできます(変更なし)。

STPについてのご質問は、当事務所までご連絡ください(雇用主、従業員とも)。

暗号通貨の
データマッチング・プログラム

ATOは、暗号通貨取引参加者が正確に申告を行い納税(および年金拠出)義務を満たすことを確保するためのデータマッチング・プログラムの一環として、オーストラリアの暗号通貨指定業者(DSP)から大量の記録を収集しています。

ATOは、2014/15年度から2019/20年度の間に暗号通貨の売買もしくは譲渡を行った、またはその可能性のある個人または事業を特定するため、暗号通貨DSPから情報を収集します(ATOは暗号型資産に投資を行ったオーストラリア人投資家は自己運用年金基金(SMSF)受託者を含め50万~100万人と推定しています)。

Editor: ATOはまた、暗号通貨は「リスクおよびボラティリティが高い投資」となる可能性があり、すでに多額の退職金を失ったSMSFの例もあると警告しています。

ATOはあらゆる受託者に、年金資産を暗号通貨に投資するあらゆる組織に資金を投じる前に、自ら調査と適切なデューディリジェンスを実施することを強く推奨しています。

税務局が「怪しい」賃貸不動産関連
控除申請の監査を強化

賃貸不動産所有者は、今年度の確定申告で正確な申告を行うよう警告されています。ATOは賃貸不動産関連の控除に関する監査を倍増すると発表しました。具体的には、以下に注目します。

  • 支払金利の過剰申告
  • 建物等費用(Capital works)を修繕費として報告
  • 第三者に賃貸した別荘についての誤った費用区分
  • シェア住宅による所得の申告漏れ

ギャビン・シーバート副局長は、以下のように述べています。

「賃貸住宅控除を含む確定申告を無作為に抽出したところ、9割に誤りが認められました。  この分野における違反を懸念しており、今年度は申告内容を詳細に検証します。」

「金融機関のデータ、全州および準州の不動産取引や賃貸の頭金、オンライン宿泊予約プラットフォームを含む幅広い情報を第三者から取得し、洗練された分析手法と組み合わせて全ての確定申告を詳細に分析します。」

「監査では、納税者が申告した控除額が適正なものであるかを判断するため、更に光熱費、有料道路使用料金、ソーシャルメディアおよびその他のオンライン・コンテンツ等のデータを検索する可能性もあります。」

ATOが控除申請を却下する原因の筆頭は、納税者が控除申請を裏付ける領収証その他の書類を提出できないことです。

不正な書類や加工された書類の提出には高額の罰金が科され、場合によっては税務訴訟の対象ともなります。

ATOは納税者に、2017年7月1日以降、「適用除外事業」でない限り、賃貸住宅の検査、維持管理、又は賃料回収に関する旅費の控除は認められない点も指摘しています。

バックパッカーへの年金拠出

ATOは雇用主に、ワーキングホリデービザで滞在中のバックパッカーに関する以下の注意を促しています。

  • ワーキングホリデービザで滞在中のバックパッカーは一時滞者とみなされ、歴月中の税引前給与が450豪ドル以上の場合は退職年金保証を受取る権利がある
  • オーストラリアから出国した場合、他のあらゆる要件を満たしていれば、オーストラリア出国年金払戻し(Departing Australia Superannuation Payment: DASP)を請求できる

バックパッカーを雇用している場合は、以下を行うべきでしょう。

  • Visa Entitlement Verification Online(「VEVO」、現在有効なビザの詳細を確認出来るオンラインシステム)で有効なビザの保有を確認
  • ATOの年金保証資格判断ツールで年金受給資格を確認
  • 要求された場合には年金の選択肢を提供し、雇用主の下で労働を開始する前に他のあらゆる労働者に適用される内容と同じ手続きを実施する
  • オーストラリア滞在中にATOの無料オンライン申請システムを使ってDASP申請を開始できることを通知する

即時償却の新ルール

小規模事業(Small Business Entity: SBE)である納税者は、簡易版減価償却規則を用いて資産を償却する場合、低額資産について税務上の使用初年度または使用可能な設置年度に即時償却を行うことができます。

先日のルール変更により、小規模事業主は2019年4月2日午後7時30分(オーストラリア東部標準時)から同6月30日までの間に使用開始された、または使用可能な設置が行われた取得償却資産につき、2019年度に最大30,000豪ドル(支払GST控除額を除く)までの即時償却が認められます。

2019年4月2日以前に取得された資産も即時償却の対象となる場合がありますが、より低い限度額が適用されます(2018年7月1日から2019年1月28日に使用開始または設置された資産については20,000豪ドル、2019年1月29日から2019年4月2日午後7時30分(オーストラリア東部標準時)までに使用開始された、または使用可能な設置が行われた資産については25,000豪ドル)。

更に、中規模事業主(年商5,000万豪ドルまで)にも初めて2019年4月2日以降に取得した資産の即時償却申請が認められる可能性があります。

Editor: これらの変更は有益ですが、結果として2019年度の確定申告が複雑化しているため、ご不明な点がございましたら遠慮なく当事務所までご連絡ください。 

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。