月次レポート2019月8月号

月次レポート2019月8月号

減税法案成立

オーストラリア政府は、法案が議会で可決されたため、1,000万人以上の国民が直ちに減税措置の恩恵を受けると発表しました。

同法では、2022/23年度より税率19%の適用限度額が41,000豪ドルから45,000豪ドルに引上げられ、低所得税控除額も645豪ドルから700豪ドルに引上げられます。

既に成立した2024/25年度の税率37%枠廃止案と共に、政府は税率32.5%を30%に引下げ「税制構造改革を実現」しています。

低中所得税額控除も法律化

また、2018/19所得年度(すなわち昨年度)より、以下も適用されます。

♦      低中所得税額控除(LAMITO)が年額最大530ドルから1,080ドルへ、最低控除額も年額200ドルから255ドルへ引上げ。

♦      納税者は課税所得に応じて、以下が適用されます。

—     37,000ドル以下の場合は、255ドルまでのLAMITO適用、

—     37,000ドル超、48,001以下の場合は、255ドルのLAMITOと最大控除額1,080ドルの7.5%相当額を適用、

—     48,000ドル超、90,001以下の場合は、LAMITOの最大額と1,080ドルを適用、

—     90,000ドル超、126,000以下の場合は、1,080ドルのLAMITOから超過額の3%相当を差し引いた額を適用。

オーストラリア税務局(ATO)は、既に2018/19年度の確定申告を行った納税者が適用されるLAMITO額引上げを享受できるよう、必要なシステム変更を実施中です。修正を申請する必要はありません。

まだ確定申告を行っていない場合は、通常の手続きで税額控除が調整されます。


ATOが怪しい車両関連経費申請に「ブレーキ」

ATOは2019年の確定申告においても業務用車両経費に注目します。

カレン・フォート副局長は、2017/18年度に360万人以上の納税者が業務用車両関連の経費申請を行い、その額は合計72億ドルを超えたとして、以下のように述べています。

「一部の納税者が依然として過剰申請は検知され、意図的な場合には処罰の対象となるというメッセージを理解していないことを懸念しています。」

「法律違反ではない誤りもありますが、還付金を増やすために怪しい申請を行う納税者が多いことを懸念しています。私用の移動や、実際には行っていない移動、雇用主が支払ったり払戻したりした車両費についての申請を行う納税者がみられます。」

車両経費申請の5分の1が、領収書不要の限度額となっています。

走行距離当たり税率(cents per kilometre method)では、納税者は領収証の保管は不要ですが、業務目的の走行距離の算出方法を証明できなければなりません。

ATOの洗練された分析は、納税者の申請内容を類似の業務について類似の金額を申請している他の納税者と比較します。

ATOは、疑問視する申請をみつけたら納税者に連絡して計算方法の提示を求めます。場合によっては、納税者が自家用車を業務関連の移動に使用する必要があったのか確認するため雇用主に連絡することもあります

事例研究

ATOの洗練されたデータ分析は、2018年に以下のような様々な根拠のない申請を特定しました。

  • 納税者に4,800ドルの申請額を裏付けるログブックの提出を求めたところ、納税者は業務関連使用の割合計算のためのログブックではなく自動車整備のログブックを参照していたことが明らかに(税務年度中、業務関連の自動車走行距離はゼロ)。
  • 小売業界の納税者が通勤用の公共輸送機関の利用費350ドルを誤って申請していることを検知。
  • 走行距離当たり税率を用いて業務関連走行距離5,000キロにつき3,300ドルを申請した会社員が、自宅から職場への移動についての申請であったことを特定。

民間健康保険証明書発行が任意に

民間健康保険に加入している納税者は、保険会社が証明書を発行する義務を負わなくなったことに注意が必要です。

登録税理士を通じて確定申告を行っている納税者は、事前に健康保険情報を確定申告書類に記入するべきです(何らかの理由でこの情報を取得できない場合には、保険会社に連絡しなければなりません)。


フリンジベネフィット税(FBT)とタクシー利用

従業員によるタクシー利用は、従業員の勤務地を乗車または降車地点とする片道移動の場合(または一定の状況における疾病・障害の結果である場合)にはFBTの税額免除の対象となります。

ただし、ATOはこの税額免除の適用は該当する州または準州でタクシー業営業免許を有する車両を用いた移動に限られ、免許を持たないライドソーシング車両やその他の有料車両には適用されない点について注意を促しています。


ATOのデータマッチング・プログラム:HELPVSL、およびTSL債務

ATOは、2019/20年度、2020/21年度、2021/22年度について、高等教育奨学金制度(Higher Education Loan Program– HELP)、職業教育訓練奨学金制度(Vocational Education and Training Student Loan– VSL)、業務支援ローン(Trade Support Loans -TSL)債務を有するけれども登録、申告、および/または支払義務を満たしていない個人を特定するデータマッチング・プログラムを実行しています。

データ収集は、毎年約300万人を対象に実施されることが予想されています。

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。