月次レポート2019月9月号

月次レポート2019月9月号

「非常識な」経費申請は却下

オーストラリア税務局(ATO)は、昨年度却下された極端な経費申請の例をいくつか公表しました。

700,000人近い納税者が20億ドル近くの「その他」経費を控除申請しましたが、ATOは系統的な検証により以下を含む非常に異例な経費の計上を特定し、これらを却下しています。

♦  子どもへのプレゼントとして購入したレゴセットや子ども用のスポーツ用具、会費等の申請、

♦  歯科治療費の申請(「就職活動を成功させるには魅力的な笑顔が不可欠と考えたため」)、

♦  一部の納税者は新車購入費用を申請(各20,000ドル超)、「特に気前のよい」納税者1名は、母親へのプレゼントとして購入した自動車を経費申請、

♦  ある納税者は「双子の育児費」と、別の納税者は「3人の子どもの育児費」を経費申請(新生児にかかる費用に驚いたらしく「赤ちゃん高い」と記入した納税者もあり)、

♦  他の納税者は、養育費、私立校の学費、制服、登校前のケアやその他の学費、医療保険料、医療費等を申請、

♦  ある納税者は、結婚披露宴の費用を申請。

確定申告書の「その他」経費欄は、所得を得るために負担した費用のうち他の項目に計上されていないもの、例えば失業保険料や医療保険料等を記入するためのものです。

ATOは納税者に、「その他」経費を申請するためには、経費は所得獲得に直接関係したものでなければならず、これについての領収証または記録を保管しなければならないと指摘しています。


ATOは本年度、外国所得に注目

ATOは投資や家族、海外での労働等から外国所得を得る納税者に、確実にこれを報告するよう促しています。

新たな国際的データ共有協定により、ATOは国際的に資金を追跡し、申告義務を守らない個人を特定できるようになります。

「今年、ATO1,000億ドルを超える資金を保有する160万件超のオフショア口座に関する記録を受領しており、データマッチングや洗練された分析手法を用いて未申告の外国所得を特定しています」と、カレン・フォート副局長は述べています。

ATOは、世界各地の65カ所を超える税務地域と税務上の非居住者の金融口座情報を共有しています。これには、口座名義人、残高、利息、配当金、資産売却益、その他所得情報が含まれます。

意図的に脱税行為を行っている少数の個人に加えて、納税義務を満たす方法を理解していない多数の納税者が懸念されています。

「税務上のオーストラリア居住者は世界中の所得に課税され、外国所得は金額の大小にかかわらず全て申告しなければなりません。これにはオフショア投資、雇用、年金、事業、コンサルティング、外国資産のキャピタルゲイン等が含まれる可能性があります」とフォート副局長は説明しました。

「外国所得については、納税済みであってもATOに報告を行う義務があります。ただし、支払済みの外国税については相殺の申請が可能です。」


ATOが実地調査へ

ATOは本年度、闇経済対策の一環として全ての州および準州で様々な業界の10,000社近い事業者を訪問する予定です(2018/19年度は9,000社弱を訪問)。

ピーター・ホルト副局長によれば、物品サービス税(GST)や源泉徴収制度の登録を行っていない事業が多数ある分野や、確定申告が遅れている事業者が多い場合には、闇経済の存在を示唆している可能性があるみられます。

その他にATOが注目する闇経済の兆候としては、申告された事業所得をはるかに上回るライフスタイル資産、偽装契約、給与明細表の不提出、雇用主が労働者に現金給与を支払い帳簿にこれを計上していないとの報告、EFTPOS(電子決済)等の商業用支払設備の欠如が挙げられます。

以下を含む一部の事業は、ATOの訪問を受ける可能性が高いと思われます。
• 住宅建設業者、

• 仕上げおよび取付サービス、その他建設サービス業者、

• 建物清掃、害虫駆除、およびガーデニングサービス業者、

• 宿泊業者、

• 薬局およびその他の店舗ベースの小売業者、

• 自動車修理・整備業者、

• カフェ、レストラン、テイクアウト食品サービス業者、

• パーソナルケア・サービス業者、

• 法務および会計サービス業者、

• コンピューターシステム設計および関連サービス業者、

• 成人、コミュニティー、およびその他向けの教育サービス業者


車両登録データマッチング・プログラム協定

ATOは、登録、報告、申告、および支払義務を満たしていない納税者を特定する目的で州および準州の車両登録当局が提供するデータをATOの納税者記録と照合します。

2016/17年度、2017/18年度、2018/19年度に譲渡または新規登録され、購入価格もしくは時価が10,000ドル以上であることが記録されている車両(1年当たり約200万件の取引記録)について、詳細な情報が要求されます。

このデータにより、高級車税、フリンジベネフィット税、燃料スキームの遵守状況を確認すると共に、未納の税金や未申告の所得、隠し財産がある高リスク納税者の特定が可能となります。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。