月次レポート2019月10月号

月次レポート2019月10月号

30,000ドルの即時資産償却

オーストラリア税務局(ATO)は、事業拡張や新品または中古の資産購入を検討中の売上高5,000万ドル以内(1,000万ドル以上)の中規模企業が即時資産償却の適用を受けられることを指摘しています。

適用対象は2019年4月2日午後7時30分(オーストラリア東部標準時)から2020年6月30日の間に購入および初回利用または設置された、価格30,000ドル以内の資産です。

中規模企業は、購入した30,000ドル以内の各資産について償却を申告できます。

30,000ドル超の資産については、通常の償却規則が適用されます(企業ごとに適用内容は異なります)。

 

連邦裁判所がPSI規則を明確化

連邦裁判所は先日、人的役務所得(PSI: Personal Service Income)規則に関連した二つの判決を下しました。

契約に基づく所得の50%超が納税者の労働、スキル、または専門知識に対する支払いである場合、かかる所得はPSIに区分されます。

PSI規則は、例えば人的役務の提供による所得を会社やパートナーシップ、信託に振り分けることで個人の所得税を減らしたり繰り延べたりできないようにするための誠実条項です。規則が適用されると、個人所得に直接課税されます。

納税者のPSIの少なくとも75%が成果達成に対するものであり、納税者が必要とされるあらゆる「商売道具」を供給し、作業の不備を是正する責任を負う場合には、この規則は適用されません(いわゆる「成果テスト(Result Test)」)。

一つ目の訴訟では、連邦裁判所は納税者が「成果テスト」を満たしていなかったと判断しました。

納税者は、成果達成に対する支払いを受けなかったとしても、それが業界における請負業者の慣行であることを証明できれば「成果テスト」は満たされると主張しました。

連邦政府はこの主張を却下しATOがPSI法を適用して納税者の契約所得を個人所得とみなした判断を支持して、納税者がパートナーシップを経由して配偶者と所得を分配することを認めませんでした(この結果、一部の税控除も否定されました)。

さらに連邦裁判所は無謀な行為に対する罰金の適用も認めました。

しかし、二つ目の訴訟では、連邦政府は行政不服申立審判所(AAT)の判断を不服とした納税者の控訴を認め、納税者はLinkedInでサービスを宣伝していたけれども「無関係の顧客テスト(Unrelated Clients Test)」を満たしていなかったという主張を認めました。

連邦裁判所は、ATOとAATが仲介業者(人材派遣業者等)を通じて提供されたサービスについての例外を拡大解釈しすぎていると判断し、より限定的な適用を支持しました。

本件ではAATでの再審判が求められており、ATOはこの判決を検討して控訴の有無について判断すると述べています。

 

会社または信託形式の在宅事業の税控除

ATOは、会社または信託形式で在宅事業を営む場合、その事業は不動産所有者との間で真正の市場相場に基づく賃貸契約(または類似の契約)を締結しているべきであるとして納税者に注意を促しています。

この契約が、事業がどの費用を支払い、税控除を申請できるかを決定します。

真正の賃貸契約がない場合、住宅所有者と事業は個人に利益を提供しているとみなされ税務上の影響が生ずる可能性があります。

また、個人がPSIを得ている場合、賃貸費用の一部を控除できなくなる可能性もあります。

事業が従業員に対して自宅で事業を営むための費用の一部を支払う場合、または払い戻している場合は、従業員は個人の確定申告でそれらの費用を控除できません。

また、従業員に対して一部の費用の支払いまたは払戻しを行う事業は、フリンジベネフィット税(FBT)の支払いが必要となったり(例外措置や税額引下げによりFBT債務を削減できる可能性はあるものの)、FBT関連の追加的な記録も必要となる可能性があります。

 

ATOを装った詐欺についての最新情報

Editor: 信じがたいことに、先日発表されたATOの詐欺報告書によれば詐欺師は依然として国民から多額の資金をだまし取ることに成功しています。

2019年7月のATOを装った詐欺についての報告書では、以下が報告されています。

  •  新しいオンライン報告書式の稼働開始後最初の1カ月間に、6,179件のオンライン詐欺が報告された
  • 6,645件の電話による詐欺が公式に記録され、465件のフィッシング詐欺メールがオンライン(reportemailfraud@ato.gov.au)で報告された
  • 520人の納税者が、誕生日、納税番号、運転免許証番号、査定通知書の詳細等、個人を特定する情報を詐欺師に提供
  • 詐欺による197,057ドルの支払いが、主にiTunesとGoogle Payを使用して行われた

走行距離当たり税率の適用

「走行距離当たり税率(Cents Per Kilometre)」では、個人納税者は車両経費に関する証明書類(領収証等)なしで毎年車両1台当たり5,000キロまでの業務使用を申告できます。

重要な点は、走行距離当たり税率を適用する納税者は申告した業務用走行距離を合理的な根拠に基づき算出したことを証明できなければならないことです。

この手法を適用する納税者は、規則的な業務関連の移動を行う者、または不規則的な業務関連の移動を行う者の大きく二通りに区別されます。

納税者が規則的な業務関連の移動を行う場合(例えば1年当たり40週、週2回、倉庫から資材を取りに行くため往復60キロ移動する等)、適用を申請するにはこのような説明ができれば十分なことがほとんどです。

しかし、納税者が不規則な業務関連の移動を行う場合には、その都度記録しなければなりません(日記等)。

また、2019年度については、適用される税率は業務用の移動(5,000キロまで)1キロ当たり68セント(2018年の66セントから引上げ)であることにもご注意下さい。

 

ABRのデータの完全性を調査

オーストラリア商務登記官(ABR)は、以下の目的のため、無作為に抽出されたあらゆる種類の事業の事業登録番号(ABN)保有者に連絡します。

  • 事業情報の確認
  • ABNをどのように使用しているか質問し、ABNの利用方法についての理解を確認
  • 登記の経験について質問し、改善方法について意見を求める
  • 該当する場合は、ABNの保有資格を確認(ただし、ABRは要求されない限りABNを抹消しません)

ABRはABN保持者によるABNの申請、維持、および取り消しの体験について理解し、これを改善しようとしているもので、取得した情報はABRのデータの質を計測するために使用されます。

 

注:本書に記載されたコメントの多くは一般的な性質のものであり、情報を実際に適用される場合は、情報の解釈や特定の状況への適用について個別に確認するため、専門的な助言を求めるべきです。

私達はグローバル企業からオーストラリア国内企業まで、幅広い支援サービスに真摯に取り組みます。